「まだ寒いからと思って、灯油をたくさん買っておいたら、そのまま暖かくなって大量に残ってしまった」という経験を持つ人も多いでしょう。残った灯油は次の冬に使うことができないので、何とかして処分しなければなりませんが、モノがモノだけに安全に処分する必要があります。
長い冬が終わり、「さて、ファンヒーターを片付けようかな」と思ったら、その側にズズ~ンと置かれた満タンの灯油ボトル。「どうしよう! これ、次の冬には使えないし…」と、途方に暮れたことがある人も、少なくないのではないでしょうか?
灯油は「特別管理産業廃棄物」に指定されているので、めったな所に捨てることはできません。しかし、「ではどうやって捨てたらいいの?」という話になると、わからない人が多いのも事実です。
残った灯油の処分については、インターネットなどでも大いに議論されています。「古新聞に灯油を吸わせて、燃えるごみの日に出したら?」「空のボトルに詰めて、そっと燃えないごみの日に出すといい」「庭に少しずつ捨てるしかないかも」などなど、素人考えでは気のきいた案なのですが、どれも危険がいっぱいでお勧めできません。
では、冬の間に残ってしまった灯油を安心安全に処分する方法とは、いったいどんな方法なのでしょうか?
買った所に引き取ってもらいましょう!
ガソリンスタンドで買った人は、ガソリンスタンドに返却
残った灯油を処分する王道的な方法は、ズバリ「買った所に引き取ってもらうこと」です。たとえばガソリンスタンドで買ったのなら、ちょっと面倒でもガソリンスタンドに持っていけば、引き取ってもらえるでしょう。
ただし、「自分のところで売ったのだから、まさかダメとは言わない」と思いたいところですが、ガソリンスタンドによっては引き取りを断られてしまうケースもあります。特に、セルフのガソリンスタンドは、その可能性が高いかもしれません。
重い灯油をわざわざ持っていって、門前払いされたのでは悲しすぎるので、本当に引き取ってもらえるかどうかを事前に確認した方がいいでしょう。スタンドによっては、有料で引き取る場合もあるので、金額面の確認も必要です。
また、ホームセンターで買った人はホームセンターに、灯油販売店で買った人は灯油販売店に持ち込めば、引き取ってもらえるはずです。こちらも、念のために電話などで確認した方が賢明でしょう。
忙しい人、重くて運べない人は、不用品回収業者が便利
電話1本でサッサと持っていってくれる不用品回収業者
「仕事が忙しくて、灯油を持っていくヒマがない」「灯油が重いので、運んでいくのが大変」という人は、不用品回収業者に持っていってもらうのがベストです。危険物の一部を取り扱える回収業者は数多くあり、当サイトのランキングなどを見てサービスの良い業者を選べば、スムーズに回収してもらえます。
「不用品回収業者に灯油1本頼むのは迷惑では?」と思う人もいるのですが、その心配はまったくいりません。大手の回収業者は、地域の担当者が常にトラックで周辺を回っている場合が多く、電話をすると近くにいるスタッフが来てサッと持っていってくれるのです。
金額に関して心配な人は、事前に見積もりをとってもらうと良いでしょう。もちろん、納得できなければ見積もりだけで帰ってもらうこともできます。
そもそも「特別管理産業廃棄物」って、いったい何?
厳しく規制されている灯油の管理
ちょっと難しい話になりますが、そもそも「特別管理廃棄物」とは、いったい何なのでしょうか? これは「廃棄物処理法」という法律に定められた特別な廃棄物のことで、爆発性・毒性・感染性など、健康や生活に被害を及ぼすおそれがある廃棄物のことです。一般のゴミとは区別して特別に管理しないと、火事や爆発などの危険があるので、国としても厳しく規制をしているのですね。
こんな捨て方は、絶対にタブー!
そんな厳しい基準のもとに管理されている灯油なので、「面倒くさい」「回収費がもったいない」という理由でポイ捨てをすることは、絶対にタブーです。石油ファンヒーターなどを粗大ゴミに出すときも、必ず中の灯油を抜いてから出すようにしましょう。
もしも少量の灯油が残ってしまったら?
「少量の灯油が残ってしまったけれど、これだけの量で回収に出すのはちょっと」という人もいるでしょう。そんな時はどうしたら良いでしょうか?
何とかして使い切ってしまう
たとえば雨の日に部屋干しをする際にファンヒーターをつけておくと、室内に湿気がたまらず、早く乾かすことができます。梅雨の頃までは灯油も劣化しないので、何とかしてそれまでに使い切るよう、タイミングを見計らってファンヒーターを使いましょう。
暖房器具の中にある灯油は「空だき」をする
ファンヒーターの取扱説明書を見ると書いてあるのですが、タンクの中に残った灯油は完全になくなるまで空だきをして、燃焼させておく必要があります。ファンヒーターを使わなくなっても、少しの間は出しておいて、「ちょっと肌寒いかな」という時にたいてもいいでしょう。
タンクの中に長い間灯油を入れっぱなしにしておくと、灯油の成分が溶け出して器具が壊れてしまう危険性もあるので、灯油の取り扱いには十分気をつける必要があります。