埼玉県で粗大ゴミを処分する前に、まずは埼玉県の不用品回収状況をチェック!
埼玉県のごみ・リサイクル事情を考える!
2013年のデータによれば、埼玉県内におけるごみの総排出量は2,414tとなっています。これは47都道府県中の第4位。ただし、これは埼玉県のごみ排出量に問題があることを意味するわけではありません。
ごみの排出量は人口に比例しますから、首都圏など人口の多い地域において排出量が増加するのは自然な傾向です。実際、埼玉県の人口ランキングは第5位となっており、ごみ排出量が多いのはやむを得ないと言うべきでしょう。
ちなみにごみ排出量の上位5位が東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県となっているのに対し、人口の上位5位は東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県の順。ごみ排出量と人口の順位はきわめて類似しています。人口順位と比較して大幅にごみ排出量の順位が高い…というのでない限り、有意にごみ排出量が多いとまでは言えません。
どうなった!?埼玉県のダイオキシン問題
ただ、埼玉県の現状に問題がない…と言い切ることは困難です。1990年代、埼玉県では産業廃棄物の野焼きが行われていました。野焼きというのは、山林などで廃棄物を燃やす処理方法です。結果、野焼きに起因するダイオキシン汚染が深刻化。所沢市・大井町・三芳町などの雑木林で高濃度ダイオキシンが検出されるという事態になりました。1999年には所沢市の野菜類がダイオキシンによる汚染被害を受けている…という報道があり、所沢市内で生産された野菜が売り場から一掃されたこともあります。
こうした問題を受けて、2001年以降、所沢市周辺をはじめとする埼玉県はさまざまな取り組みを行ってきました。“NO!ダイオキシン”埼玉行動が中心となって、野焼きによる不適正焼却を徹底監視したほか、焼却炉削減なども行っています。さらに、ごみを削減するためにリサイクル重視の循環型社会への切り替えも進めました。これらの取り組みが功を奏し、現在、埼玉県内のダイオキシン濃度は全国平均と同程度になっています。
埼玉県のごみ問題〜今後の展望は?
ただ、埼玉県のごみ問題は決して楽観できる状況ではありません。埼玉県はごみの総排出量が高い都道府県でありながら、最終処分場残余容量に余裕がなくなっているからです。具体的な数値を出すと、埼玉県の最終処分場残余容量は2,201,000立方メートルとなっており、これは全国平均の2,313,000立方メートルを下回っています。
最終処分場残余容量というのは、“ごみを埋め立てる場所に残された容量”を意味します。この残余容量がゼロになれば、最終的なごみ処理方法を新しく考えなければなりません。
さて、最終処分場の残余容量を具体的に考えるためには、処分量1,000tあたりの残余容量を知るのが有効。“都道府県が排出するごみの分量に対して、最終処分場にどれくらいの余裕があるか”を知るための指標になるからです。埼玉県の場合、1,000tあたりの残余容量は16.80立方メートル。この数字は47都道府県で第31位という低水準です。これは“最終処分場のキャパシティに余裕がなくなってきている”という事実を意味します。ごみの削減を進めていかないと、遠からず厳しい状況を迎えることになるでしょう。
循環型社会を目指して〜埼玉県のリサイクル率は全国7位!
これも2013年のデータですが、埼玉県のごみリサイクル率は24.9%です。これは47都道府県中の第7位に相当します。
2007年移行、埼玉県のごみリサイクル率は常に25%前後を推移しており、順位は4〜10位を行ったり来たりしている状況。このデータを参照する限り、埼玉県は全国的に見てリサイクル率の高い都道府県と言えるでしょう。これは、上述した2001年以降の“循環型社会を目指す取り組み”が実を結んだ結果だと考えられます。
全国トップのリサイクル率を誇る三重県が30.1%という高水準をマークする一方、全国で最低水準の大阪府・奈良県は10%台の前半を推移。25%前後を常に維持している埼玉県は、リサイクル率におけるトップグループの一角と言えます。この状況を維持していけば、埼玉県におけるごみの総排出量を抑えることに繋がるでしょう。
1都3県でもっとも少ない!埼玉県の産業廃棄物排出量
さて、同じく2013年のデータによると、埼玉県における産業廃棄物の排出量は47都道府県中10位となっています。関東地方では東京都、千葉県、神奈川県に次いで4位であり、1都3県ではもっとも産業廃棄物が少ない…という結果になりました。
東京都・神奈川県には両県をまたぐ京浜工業地帯がありますし、東京都・千葉県にはやはり京葉工業地域があります。それに対し、埼玉県は栃木県・群馬県・茨城県と共に北関東工業地域・関東内陸工業地域の一部を担っているだけ。1都3県の中で産業廃棄物排出量が少ない…というのは納得できます。
上述の“NO!ダイオキシン”埼玉行動が功を奏し、野焼きによる不適正焼却も減ってきていますから、産業廃棄物による公害は今後も減っていくと考えて良いでしょう。都内の廃棄物が一部、埼玉県に持ちこまれているという報告もありますが、こういった問題に関しては今後の取り組みに期待するしかありません。