「どうせ片付けても、またきっと散らかってしまう」そんな悲観的な思いがあって、片付けるのを諦めてしまう人もいるでしょう。たしかに、今までと同じ気持ちでいたらそうかもしれません。でも、このポイントさえ押さえれば、ずっと美しい部屋を保つことも夢ではありませんよ!
<その1>「捨てる」ということへの罪の意識をなくす
「もったいない」の日本文化が、裏目に出てしまっている
「もったいない」という意識が文化として深く根付いている日本人にとって、「捨てる」というのは非常に大変な行為です。特に、まだ使えるかもしれない物を思い切って捨ててしまうときは、身を切られるような辛さを感じる人もいるでしょう。「自分は物を大切にできない人間だ」という罪の意識も、生まれてしまうかもしれません。
本来、物を捨てないというのは日本人にとって美徳なのですが、こと“不用品の処分”に関しては裏目に出てしまっているようです。「これは思い出の品だから捨てられない」「この服はまだ着られるから捨てたらもったいない」そんな名残惜しい品物で部屋中が埋まってしまうと、部屋全体にはドヨ~ンとした雰囲気が流れ、これからやってくるはずのいい運気も逃げていってしまうでしょう。これこそが、本当は一番もったいない行為といえます。
不用品を捨てられるようになれば、リバウンドはしない
実はこの「物を捨てられない」という壁を乗り越えることが、片付け後にリバウンドしないための最大のポイントなのです!逆に言えば、「不用品を捨てられるようになれば、リバウンドはしない」とも言い切れてしまうほどです。ですから、ここは何としてでも“捨てられる人”になるしか道はありません。
もちろん、何でもかんでも捨てられる人になる必要はないのです。自分にとって本当に必要な物だけを残し、当面必要ない物を捨てることが習慣になれば、その後は捨てる物自体もグッと減るはずです。
<その2>しまっていたものを、まずは全部出す
どこに何があるかを把握することが第一歩
片づけた後にリバウンドしてしまう人の大きな特徴のひとつに、「どこに何があるかを把握していない」ということがあります。そうすると、新たにしまう物が生まれたときにどこに収納していいかわからず、その辺に置きっぱなしになってしまうのです。かなり面倒くさい作業と感じるかもしれませんが、リバウンドしない片付けを目指すのであれば、まずは収納している中身の“全部出し”からスタートする必要があるでしょう。
とはいっても、家中の収納を一気に出してしまうと、収拾がつかなくなってしまいます。最初はリビングなどの難しい場所はスルーして、クロゼットや押し入れなど、比較的達成感を得られやすい場所からピンポイントで片付けていきましょう。「これは捨てる」「これは残す」を繰り返していくうちに、自然と捨てることに対する罪の意識は減っていきます。
休日に一ヶ所ずつ片付けるぐらいのペースで、無理なく続ける
たとえば、週休二日制の会社に勤めている人であれば、土日のうちどちらかは自分の好きなことに使い、あとの一日を片づけに集中させるというのもひとつの方法です。片付けに集中させるとはいっても、他の家事や食事・入浴・雑用などの時間を考えると、一日の中で片付けに割ける時間はせいぜい4時間程度でしょう。
そうなると、「今日はクロゼットだけ」「来週は押し入れだけ」というように、週に1ヶ所ずつ片付けていくのがいいペースかもしれません。「早くきれいな家になりたい」と逸る気持ちはよくわかりますが、そうして小手先の片づけをしてしまうと、数日後にはリバウンドしてしまうのがオチです。ここは本当に美しい家に住み続けるのだという強い意志をもって、長期間にわたる片付け戦略を実践しましょう。
<その3>自分が片付ける後姿を家族に見せる
“片付けられない家族”の存在に悩む人は多い。でも…
そうはいっても、ひとり暮らしの人は自分さえ片付ければ問題ありませんが、家族がいる人の場合は、皆の協力があってこそ片付けも成り立つというものです。「自分がいくら片付けても、家族が散らかしてしまうから」と嘆く人は、少なくありません。たしかに、面倒くさがりの家族がいた場合は、美しい家を保つうえで大きな障壁になるのは事実でしょう。
「いくら新聞をここに片付けてと言っても、その辺に置きっぱなしにして会社に行ってしまう」「息子が靴下をリビングで脱いで、そのまま置きっぱなしにしても平気でいる」そんな悩みを持つ人は、そのことが原因で心が折れてしまう場合もあります。
自分が変われば、家族が変わる
ところが、家族が散らかしてしまうという悩みも、実は自分が後姿を見せることで変えていくことはできるのです。大切なのは、自分自身が変わること。片付けが苦手な家族を無理やりマメな人にすることは不可能なので、まずは自分が片付けることで「おや?何だか最近家の中がきれいで気持ちがいい。ちょっと靴下を脱ぎっぱなしにするのは、気が引けるなあ」という具合に、少しずつ家族の態度が変わっていくのです。
もちろん、片付けベタの重症度によっては、かなり時間がかかる場合もあるでしょう。「なかなか変わってくれない」といら立つこともあるかもしれません。でも、けっしてあきらめずに片付け続けると、薄紙を剥がすように家族の気持ちが動いていくことは間違いありません。