ご近所トラブルといえば「ピアノがうるさい」といった生活音の問題が深刻ですが、ごみ処理にまつわるご近所トラブルも、意外と少なくないようです。では、いったいどんなことをするとトラブルになるのか、代表的な事例をご紹介しましょう。
【トラブルその1】ごみ出しの日を間違えてしまった
ついうっかりごみ出し日を間違えてしまった、Aさんの場合
これは誰もがありがちがことですが、ついうっかりごみ出しの日を間違えてしまうことがあります。「今日は燃えるごみの日」「明日は資源ごみ何類だっけ?」などと、かなり複雑な日本のごみ出し事情。間違える人がいても、不思議はないですね。
引っ越ししてきたばかりのAさんは、ごみ出し日を壁に貼るなどして、新しい地域の仕組みに早く慣れようとがんばっていました。ところが、引っ越し直後で忙しかったAさんは、ついうっかりして以前の地域のごみ出し日に、燃えるごみを出してしまったのです。季節は真夏、日中は40度近くにもなる、飛びきり暑い日でした。
バタバタとごみを出した後、「今日は15時からPTAの懇談会だわ!その前に用事を済ませておこう」と、そのまま出かけてしまったAさん。ごみ置き場には、Aさんのごみだけがポツンと置かれていました。
悪気はないとわかっていても、何となくご近所と気まずいムードに
ジリジリ照りつける日差しにあたって、燃えるごみは臭いが強烈になり、ごみ置き場の真ん前に家の窓があるBさんはイライラ。「んもう!こんな時に回収日じゃないのにごみを出しておくなんて、信じられない。いったい誰なのかしら?」と思いつつ、Bさんもまた懇談会に出かけました。
Bさんが懇談会の教室を探していると、向こうからAさんがやってきました。「あら、Aさん。そういえば今日、間違えて燃えるごみを出しちゃった人がいて、すごく臭くて迷惑してるの」とBさんが愚痴をこぼしたところ、「あ~!いけない」とAさん。「ええ!?あのごみ、Aさんのだったの?」とBさんはびっくり。
気まずいムードのまま別れ、Aさんは懇談会が終わった後にそそくさとごみを取りに行ったものの、それ以来Bさんとは何となく話しづらくなってしまいました。
【トラブルその2】ごみからプライベートがわかってしまった
スーパーのレシートが、ごみの中からクッキリ!
Cさんはスナック菓子が大好き。家事が終わった後に、映画を見ながらポテトチップを食べるのが楽しみで、安売りのスーパーでまとめ買いをするのが習慣でした。
ある日Cさんは、燃えるごみを出す時に何気なくスーパーのレシートを袋に入れ、ごみ置き場に出しました。するとそこに、おしゃべりで有名なご近所のDさんが登場!「あらCさん、おはようございます」「お、おはようございます」Cさんは挨拶だけ済ませると、そそくさとその場を立ち去りました。
噂好きのご近所さんがいる時は要注意
そこで「あら?」とCさんのごみをチェックするように覗いたDさんは、“ポテトチップ20袋”というレシートを発見。「はは~ん、Cさんはポテチ好きなのね」とバレてしまったのです。この噂はあっという間にご近所に知れ渡ってしまいました。それ以来、CさんはDさんを見ると、逃げるように走り去るようになってしまったのです。
その数日後、ぜんぜん話をしたこともないご近所さんから、Cさんは声をかけられました。「Cさん、ごみを出す時は気を付けた方がいいわよ。レシートや見られて困るようなものは、見えないような袋にいったん入れてから出した方がいいかも」と、アドバイスをもらったのです。
たしかに、半透明や透明の袋でごみ出しをするようになってから、個人のごみの中身がはっきりと見えてしまうようになりました。見られたくない物、知られて困る物をごみに出す時は、細心の注意をした方が良さそうですね。
【トラブルその3】知らない人が勝手にごみを捨てにきた
夜中に車でごみを捨てに来る、謎の人物
施設内に専用のごみ捨て場があるマンションなどは問題ありませんが、屋外にごみ置き場がある共同住宅などは、知らない人がごみを捨てに来るケースが少なくないようです。この手のトラブルになるとれっきとした不法投棄なので、ご近所間のトラブルというよりは、地域の問題ともいえるでしょう。
Eさんのアパートには、管理人がいません。ごみ置き場の管理は、住民が自主的にやっていました。ところが最近、最近知らない人がごみ置き場に不法投棄をする事件が相次ぎ、問題となっていました。皆で話し合ったところ、どうも夜中に車で現れて、大量のごみを捨てているとのこと。
仕方なく、皆でごみの中を調べたところ、相手の名前らしきものを発見。警察に届けて一件落着しましたが、ちょっと怖い関係の人のようで、仕返しがないかと心配なEさんでした。
ごみトラブルを防ぐには、地域の人々の協力も必要
ほかにもごみにまつわるトラブルは多く、「燃えるごみの中に水分がたまった状態で出してくる人がいる」「ごみ当番なのに何もしない人がいる」「そもそもごみを全く出さないで、家の中に溜め込んでいる」「ごみをカラスに荒らされる」など、挙げれば切りがないほどです。
ごみ出しは生活に密着したことなので、きちんとルールを守ってくれないと困る反面、ごみの出し方が複雑で悩んでしまう人が多いのも事実です。ごみの決まりを守れない人をただ責めるのではなく、何らかの形でアドバイスをするなど、地域で話し合うことも大切かもしれません。