理想の部屋を思い描くことで、モチベーションが上がる
「こんな生活がしたい!」を現実にするために、部屋を片づける
今までは片付けというと「やらなくてはならないから、仕方なくやるもの」という暗いイメージがありました。でも最近は、夢や理想を描きながら、楽しい気分で片付けをする人がとても増えています。「スッキリと片付いた部屋に観葉植物を置いたら素敵!」「そうしたら窓辺には花を置いて、キッチンには間接照明をつけて」といった具合に、自分の理想とする部屋のイメージを描きながら片付けると、モチベーションが上がって片付けに気合いが入るのです。
「そんなこと言っても、現実はそううまくいかないのでは?」と思う人もいるかもしれませんね。たしかに、今まで“片付けてはまた散らかる”を繰り返してきた人は、「どうせまた散らかるに決まっている」という思い込みがあって、そんな夢物語のような話はどうしても信じられないかもしれません。
もし散らかり始めても、また元の美しい部屋に戻れる
でも、思い出してみてください。以前に片付けをしたとき、いったいどんな部屋にしたいと思って片付けていましたか?もしかしたら、あまりに散らかってしまったので、義務感にかられて淡々と片付けていたかもしれませんね。でも、そのような気持ちで片付けても、自分の中に「こういう生活がしたい」という目標がないので、気が付くとまたあっという間に散らかってしまうのです。
その反対に、自分の理想とする部屋をイメージしながら片付けをすると、ずっとその生活をキープしたいと思うので、部屋が散らかりません。もしまた散らかり始めても、「いけない!この理想の生活を守りたいから、片付けなくちゃ」という気持ちになることができます。理想の部屋が具体的にイメージできるかどうかは、そういう意味でも非常に大事なことです。
理想の暮らしをキープできるようになったAさんの場合
汚部屋と化していたAさんの部屋
Aさんは自他ともに認める片付けベタ。仕事から帰ってくると、衣類は部屋に放り投げ、食事をした後の食器は出しっぱなし。ごみを燃えるごみと燃えないごみに分別するのも面倒くさく、そのために出せずにいるごみが、部屋中に散乱していました。
「こんな生活、もう終わりにしたい!」と、Aさんは常々思っていました。でも、どうしても汚部屋から抜け出すことができなかったのです。それはなぜかというと、片付けをするのが心底嫌いだったから。料理を作ったりすることは創造的で楽しかったのですが、片付けたり食器を洗ったりすることは、Aさんにとって何の発見も楽しさもありませんでした。
いつも汚部屋寸前で仕方なく片付けをするという繰り返し
それでも、Aさんが今まで一度も片付けをしなかったかというと、そういうわけではありません。これまでにAさんは、何度となく「これ以上汚部屋になったらもう生活できない」というギリギリのところで、仕方なく片づけをしていました。でも、いくら片付けても、またあっという間に散らかってしまっていたのです。
自分の理想の部屋をイメージして、片付けをスタート
そんなとき、Aさんが雑誌をパラパラとめくっていると、「理想の部屋を思い描くと、汚部屋から脱出できる」という記事が目に入りました。Aさんは釘付けになってそれを読み、「よし!私も理想の生活を思い描いてみよう」と決めたのです。
インテリア雑誌でさらにイメージを膨らませる
それからAさんはインテリア雑誌を購入し、一番自分が気に入った部屋を探し出しました。Aさんが一番気に入ったのは、シンプルで機能的な室内に、さり気なく観葉植物が置かれているような部屋でした。「もしも本当にこんな部屋になれたら、休日はソファに座って、好きな音楽を聴きながらアールグレイの紅茶を飲もう」Aさんの夢は膨らみ、理想の部屋の写真を壁に貼って、それを見ながらせっせと片付けに励みました。
週に1回がお片付けDAY
Aさんは仕事を持っていたので、片付けができるのは週に1日。そこで計画表を作り、1週目クロゼット・2週目押し入れ・3週目ダイニング・4週目リビング・5週目キッチン・6週目バスルーム・7週目トイレ・8週目玄関と、2ヶ月間にわたって1ヶ所ずつ片付け戦略を繰り広げました。
理想の部屋にするために、収納家具や小物などもすべて買い替えました。すると、「こんなにも要らない物を持っていたなんてビックリ」と自分でも驚くほど、ごみや不用品がドッサリと出たのです。今までAさんが「もったいないから捨てられない」と思い込んでいた物たちは、理想の生活を諦めた自分の仮の姿だったのだと、そのとき気づきました。
ついに理想の部屋をゲットしたAさん
Aさんは大量に出たごみや不用品を、すべて不用品回収業者に持っていってもらいました。以前に同じようにごみが出た時、「回収料金がもったいない」と思って自分で処分しようとし、結局出せずに挫折した経験があったからです。今回は絶対に、挫折したくはありませんでした。山ほどのごみと不用品は、回収業者に頼むとあっという間になくなりました。ごみと不用品が去っていった後の部屋は、まさにAさんが思い描いていた通りの、理想の部屋だったのです。
そしてすべてが完了した2ヶ月後の休日、Aさんはソファに腰かけながら、大好きな音楽をバックにアールグレイを味わいました。「理想の部屋をイメージすることが、こんなに大事なことだとは思わなかった」と、あらためて思うAさんでした。