「片付けなければならないのはわかっているけれど、どうしてもその気になれない!」散らかる部屋を見ながら、どんより気分に浸っている人は、意外と多いのではないでしょうか?でも、ちょっと待って!ほんの少し工夫するだけで、“片付け嫌い”から脱出できるかもしれませんよ。
【アイデアその1】毎日時間を決めて、少しずつやる
片付け嫌いを克服する最大のポイントはこれ!
片付けは、「今日は休みだから一日中片付けよう」と張り切ってやろうとすると、「いや、まてよ。今日はあれもやらなきゃいけないし、せっかくの休日だからDVDも観たいし」などとあれこれ考えてしまって、結局やれずに終わってしまうことも多いでしょう。
でも、そうやって「やろうと思ったけれどできなかった」という敗北感を何度か味わうと、その失敗体験が知らない間に脳にインプットされてしまいます。そして、「よし、今日こそ」と思った時に、「そんなこと言ったって、前もそう思った時にやれずに終わったでしょう?」と、心のどこかで悪魔のささやきが聞こえ……。結局「どうせ今日もやらないし」と、どんどんドツボにはまっていってしまうのです。
毎日15分程度、朝ドラを観る感覚で片付けを
それよりは毎日時間を決めて、「たとえ1ヶ所だけでもいいから片付けよう」ととりあえず動いてみると、これが意外と続いてしまうものです。なぜなら、片付けはたまに一日がかりでやろうとするとすごく重労働になってしまい、それが“片付け嫌い”に輪をかけてしまうからです。1日15分程度なら、まったく大変さを感じないので、朝ドラを観るような感覚で気軽に片付けができるでしょう。
毎日やれることは、ずっとやり続けられる
話はまったく変わりますが、ストレッチなども毎日の効果がてき面に表れる良い例です。たとえば超がつくほどの運動嫌いの人が、「毎朝起きた時に寝ながら10分だけストレッチをやろう」と決めたところ、自分でも思いがけないほど続いて、ウェストまわりがスッキリしたという実例があります。
なぜ続いたのかというと、楽だったから。寝ながらなら辛くないし、起きた瞬間はウダウダしていたい気持ちもあるので、適度なストレッチをしているうちに「さて、起きようかな」という気持ちになれるのです。そして、2ヶ月ほどやり続けると効果が出てくるので、ますますやる気が出るという訳です。たとえ10分でも、毎日の効果ははかり知れないものがあります。
片付けもこれと同じで、「楽チンに毎日続ける」というのが、片付け嫌いを克服する最大のポイントです!「では毎日何時にやるか?」というのが、一番の考えどころかもしれませんね。朝がやる気が出るという人もいれば、夕方に食事の支度と一緒にまとめてという人もいるでしょう。もちろん、何かイレギュラーな予定のある日は遠慮なく休み、「週に4日くらいやれば上等」ぐらいに考えておくと、気持ちも楽というものです。今まで週にゼロだった片付けが、週に1時間できるようになったらどうなるか……少しずつ美しい部屋に変わっていくのは、疑いようがありませんね。
【アイデアその2】毎日1個、いらないものを捨てる
部屋をスッキリさせるのは、捨てることから始まる
さて、「毎日時間を決めて片付けをする」と決めたら、今度はその片付けをしている時に、不要な物を必ず1個以上捨てるようにしましょう。片付けが苦手な人の大きな特徴のひとつに、「捨てられない」ということがあります。捨てなきゃいけないとわかってはいても、どうしてもその気になれないのです。そしてその結果が、“何となくゴチャゴチャした部屋”という訳です。
けれど、やはり「捨てる」という決心をしなければ、いくら部屋を片付けてもスッキリした部屋には生まれ変わりません。そこで大いに役立つのが、“1日に1個”という捨て方です。あれもこれも一度に捨てるのは嫌でも、1日に1個なら「しょうがない!今日はこれを捨てよう」という気持ちになれます。
絶対に後悔しないものから順に捨てましょう
その時に、いきなり大事なものを捨ててしまうと、後で後悔することがあるかもしれません。まずは汚れたものや、賞味期限切れの食品、ペットボトル、コピー用紙など、捨てても絶対に後悔しない物から順に捨てていった方が良いでしょう。
そうやって“捨てグセ”をつけていくうちに、「これは捨てるもの、これは取っておくもの」という仕分けが、スマートにできるようになってきます。そうなったらもう、しめたものです!
【アイデアその3】すぐ出せる場所に、掃除用具を置く
片付け嫌いを克服するなら、掃除好きになることも大切
片付けに必ずついて回るのが「掃除」です。いくら片付けをする気になっても、その後の掃除がおっくうになってしまっては、結局片付けも面倒になってしまうでしょう。15分の片付けタイムの5分ほどは、どうしてもモップがけや掃除機がけ、雑巾がけに費やすことになります。
実は、掃除嫌いになってしまっている大きな原因のひとつに、「掃除道具がすぐに出せない」というのがあるのです。階段収納の奥の方に掃除機を入れてしまったり、洗面所まで行かなければ雑巾がなかったり。そんな面倒な事情があると、もうそれだけで掃除をする気持ちが萎えてしまうものです。
できればすぐパッと出せる位置に掃除機や床モップを置き、各部屋の目立たないところにダスターをセッティングしましょう。白いダスターは「いかにも雑巾!」という汚い感じが際立ってしまうので、色の濃いブラウンやブルーなど、何回か使っても汚れがわからない色がお勧めです。
掃除道具にはお金を惜しまない
ちょっとお財布には痛い話ですが、そのぐらいしないと掃除嫌いを克服することはできません。逆の言い方をすると、掃除道具を使いやすいものに切り替えるだけで、「こんなにも掃除が楽だと思わなかった」と気づくかもしれません。
たとえばお勧めは、壁掛け式の充電型スティック掃除機。リビングの壁にかけておいても、インテリアの一部になってくれるので、出し入れがとても楽チンです。充電式ならあのダラダラとまとわりつくコードも付いていないので、スイスイ掃除機をかけることができます。
ほうきやチリトリ、床モップなども、思い切ってインテリアの一部にしてしまいましょう。できるだけおしゃれなタイプを選び、室内の片隅に並べて吊るしておくと、思わず手に取って使いたくなります。
<片付け嫌いを克服したAさんの例>
1日15分の片付けだけで、半年後には家中がスッキリ!
Aさんは、自他ともに認める片付け嫌い。おかげで部屋の中は足の踏み場もないほど散らかり、それを見ては溜息をつくような毎日でした。
そんなAさんがある日、一念発起して「1日15分の片付けを実行しよう」と決心したのです。丸一日かけて片付けをする気にはなれないし、たとえやったところでまた散らかってしまう。「それなら、毎日15分だけ片付けていれば、今よりずっと部屋がきれいになるはず」と思ったからです。
そこで朝型のAさんは、毎朝6時から家事に取りかかるので、5時45分から15分だけ片付けをすることにしました。どこを片付けるかは、その日の気分。「今日はちょっと、電子レンジの上の棚が気になる」と思えば、その一列だけを片付けて、その日は終わりにしていました。
子どもが熱を出したり、結婚式に出席するなどの用事で慌ただしい日は、もちろんお休み。それでも家の中は少しずつ、薄紙を剥がすように片付いていきました。そして半年後、Aさんの家は自分でも驚くほどきれいに片付いてしまいました。それもそのはず、半年でトータルすると15分×120回=1800分、時間に直すと30時間分の片付けをしたことになったのです。