「粗大ゴミに“積み放題”なんてあるの?」とビックリした人もいるでしょう。いま、不用品回収業者のサービスはどんどん充実していて、「このトラックに積めるだけ積んでいくら」というサービスが人気を呼んでいるのです。さて、このサービス。本当にお得なのでしょうか?
年々充実する不用品回収業者のサービス
粗大ゴミは自治体に回収してもらう方法と、不用品回収業者に頼む方法がありますが、不用品回収業者のサービスが年々充実してきているのをご存知でしょうか?
かつてのように「回収業者に足元を見られて、多額の引き取り料を取られてしまった」というようなトラブルは、評判の良い業者に限ってはほとんどありません。コワモテのお兄さんがやってくるような心配もなく、とても感じの良いスタッフが丁寧に対応してくれます。
また、各社競ってお客様の獲得に尽力しているので、さまざまなパックサービスなども実施しています。そのひとつが「積み放題サービス」で、不用品回収業者の多くが実施している人気のサービスです。
さて、この「積み放題サービス」、本当に粗大ゴミを出す人にとってお得なのでしょうか?
積み放題サービスって、どんなサービス?
トラックに積められるだけ積める、お得なサービス
「積み放題サービス」と聞くと、思わず「お菓子の詰め放題サービス」を思い浮かべてしまいそうですね。お菓子を積めるのが袋なら、不用品を積めるのはもちろんトラックです。軽トラックなら積め放題でいくら、2トントラックならいくらというように、どんな荷物でも積められるだけ積んでOKというお得なサービスなのです。
捨てるのが面倒なリサイクル家電やパソコンも積み放題!
さらに、評判の良い回収業者の多くは、リサイクル家電に指定されているエアコンや冷蔵庫、テレビ、洗濯機、パソコンまで積めさせてもらえます。もし自分で捨てようとすると、郵便局でリサイクル券を購入し、重い荷物を車に積んで家電量販店に持っていかなければなりません。
「冷蔵庫なんて、とても車では持っていけない」というような場合は、リサイクル券の料金だけでなく、送料まで負担しなければならなくなります。実は、この家電リサイクルの送料が、バカにならないのです。
積み放題を利用するパターン、自力で捨てるパターンの比較
では、実際のところ自力で捨てる場合と回収業者に頼む場合とでは、いったいどのような違いがあるのでしょうか? “自力でがんばる派”のAさんと、“業者にまかせる派”のBさんの例を挙げてみました。
“自力でがんばる派” Aさんの例
Aさんは、午前中だけパートタイムで働く40代の主婦。ご主人の転勤で1ヵ月後に引越しが決まり、冷蔵庫・洗濯機・エアコン・大型家具3点・ダイニングセット・その他普通ゴミに出せないもろもろの家具や家電製品を処分することに決めました。
「なるべく安く済ませたい」という、しっかり者のAさん。冷蔵庫や洗濯機・エアコンは年代ものなので、リサイクルショップには引き取ってもらえないため、家電リサイクルに出すことに決定。その他の家具類などは、自治体の回収に出すことにしました。
ところが粗大ゴミの回収センターに電話したところ、「いま引越しシーズンで、回収に行けるのは早くても4週間後」と言われ、大慌て。ギリギリなんとかなるものの、もし出せなかった時はアウトのタイミングです。
しかも、1回に回収してもらえるのは10点までなのに、Aさんが粗大ゴミに出したいのは12点あったのです。「こうなったら仕方ない! あとの2点の家具は、ノコギリで細かくして出そう」と決め、丸2日かけて木のテーブルとワゴンを切り刻みました。
リサイクル家電として家電量販店に出す品物のうち、冷蔵庫と洗濯機に関してはさすがに持っていくのを諦め、宅配サービスに送ってもらいました。ところが、そこでまたビックリ!家庭用冷蔵庫の配送料は1万6千円台・リサイクル料は3千円台、洗濯機の配送料はホースの取り外しを含めると7千円台・リサイクル料は2千円台と、しめて3万円ほどになってしまったのです!
自治体で回収する家具でも、大きいものは一点につき1,800円~2,500円する場合もあり、すべてをトータルすると何と4万円以上にもなりました。しかも、あちこちに問い合わせたり、回収が間に合うかどうかでストレスがたまったりと、もうヘトヘト。確かに業者に出すよりは安かったのですが、腰も痛くなってしまい、まったく労力に見合わなかったと大反省するAさんでした。
“積み放題の回収業者にまかせる派” Bさんの例
Bさんはフルタイムで働く30代のママ。最初から「自分で何もかもやるのは無理」とわかっていたので、不用品に関しては回収業者に頼もうと決めていました。
一戸建ての新居を購入して引越すことになり、粗大ゴミに出すものもかなりありました。洗濯機や冷蔵庫・エアコンも古くなったので、思い切って処分することにしました。回収業者のランキングで上位だったところに見積もりに来てもらうと、とても感じのいい対応でひと安心。「積み放題がお得ですよ」と言われ、2トントラックの積み放題パックを8万円で頼むことにしました。
引越しの日ギリギリまで使いたい物が多かったので、回収日は引越し当日に指定。引越し自体もらくらくパックで頼み、引越しの日の朝はご主人と今までの家の思い出を語りながら、ゆったりと記念撮影。
不用品はサッサと回収してもらい、引越し荷物はその日のうちに暮らせるようにセットされ、「こんな引越しなら、何回でもできるわ」と思うBさんでした。
過酷な労働を考えると、やっぱり積み放題がお得!?
AさんとBさん、確かに2倍くらい料金に違いは出ましたが、果たしてどちらが“お得”だったでしょうか? 人によって考え方はさまざまですが、自力でやろうとしても予想以上にお金がかかることを考えると、やっぱり回収業者の積み放題の方がお得と言えるかもしれませんね。